今回は、「残業改善に向けた取り組みとは?」です。

前回に引き続き、2015年9月に厚生労働省から発表されている「平成27年度版 労働経済の分析」 -労働生産性と雇用・労働問題への対応-よりお伝えします。

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/15/15-1.html

上記資料の第3章、第3節に「労働時間の削減の取り組み」が記載されています。

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/15/backdata/3-3-01.html

所定外労働時間が実際に削減された企業が行っている取組が、割合とともにグラフ化されていて、一見すると下記のように読み取れます。

1.実態の把握 69.2%
2.長時間労働者やその上司などに対する注意喚起 66.1%
3.仕事の内容、分担の見直し 55.2%
4.所定外労働の事前届け出制の導入 50.0%
5.休日労働に対する代休の付与 45.1%
6.ノー残業デーの設定 43.1%
・・・

そのまま読むと、実態を把握して注意喚起し、残業は事前届出制にして、仕事の内容や分担を見直してもらう。人事として、休日労働には代休を付与をルール化し、ノー残業デーを設定すれば、残業が減る?????

ちょっと怪しいですよね。もうやってるよ!という会社もあるのではないでしょうか。

グラフ左の円グラフには取り組みを行ったが変わらないという記載があるので、この資料の出所 (独)労働政策研究・研修機構「労働時間管理と効率的な働き方に関する調査(2015年)」を参照し分析してみました。

http://www.jil.go.jp/press/documents/20150727.pdf

この資料には、各取り組みごとに、所定外労働時間が短縮された割合と変わらなかった割合が示されています。各取り組みを行っている企業のうち、実際に「短縮された」割合は以下の通りです。

1.強制消灯、PCの一斉電源オフ 68.1%
2.経営トップからの呼びかけ、経営戦略化・・・ 65.7%
3.社内放送などによる終業の呼びかけ 64.7%
4.労働時間管理や健康確保に係る管理者向けの研修・・・ 63.1%
5.労働時間管理や健康確保に係る非管理職向けの研修・・・ 62.1%
6.所定労働の事前届出制の導入 60.5%

強制消灯や社内放送などは、できる会社が限られてしまうと思いますので、それ以外でまとめてみます。

所定外労働時間の削減に向けて取り組ん効果を出している企業は、

経営トップから、経営戦略化による呼びかけ行い、管理職、非管理職に労働時間管理や健康確保に係る研修を実施し、意識啓発を実施している。
自ら残業を行ってしまう社員もいる(前回のコラム参照)ので、残業は、事前届出制を導入している。

時間外労働の削減は、人事ご担当者のみで頑張るのではなく、無駄な人件費のコストダウン施策の一部として、経営トップを巻き込んで戦略的に実施されてはいかがでしょうか。

あくまで、“無駄な”人件費ですよ。削減するのは。