勤怠管理システムの選び方(その2) 管理者の視点
今回は、「勤怠管理システムの選び方(その2) 管理者の視点」になります。
勤怠管理システムは、大きく2つの機能があります。
・勤務時間の集計
→出勤、退勤の時刻を記録、給与計算に必要な残業時間等を計算
・休暇の管理
→有給休暇や特別休暇などの取得日数を計算
この主要な機能はどのメーカーでも実装されていますので、ここまでですと、どのシステムを選んでも一緒です。
勤務時間の集計のうち、残業時間を例にとって見ていきます。
残業集計の実際は、就業方法、役職、契約形態、業務内容と、給与計算の方法で異なります。
例:固定時間制度9:00~17:30 休憩1:00のケース、()内は割増率
・17:30~残業(×1.25)
・17:30~18:00休憩、18:00~残業(×1.25)
・17:30~18:00法内残業(×1.0)、18:00~残業(×1.25)
・実働8h以上を残業とする(遅刻や半休で残業開始時刻がスライド)
・管理職は残業時間を未計上
・22:00~残業時間に深夜を加算して計上(×1.5、平日の場合)
・22:00~残業時間とは別に深夜時間を計上(×0.25)
・みなし労働時間制度、20時間以上を残業時間として計上
・残業計上は、申請書の承認により計上
・残業計上は、打刻による自動計上
・深夜残業のみ申請書の承認により計上、通常残業は自動計上
などなど。
残業は日々行われることなので、システムにより自動化できないと、手作業が残ってしまいます。自社の残業計上方法のパターンをシステム化できるかどうか、重要な確認ポイントとなります。
その他、朝の早出残業や、休日出勤時の対応は要チェックです。
休暇の管理では、有給休暇の取得日数だけではなく、休暇の付与が自動化できるかどうか(もちろん有効期限も)の確認が必要です。契約社員やパートの比例付与の対応可否も重要です。
有休以外にも、残日数管理する休暇として、傷病休暇や夏季休暇(7~9月に5日間取得など)、記念日休暇などの自動付与や残日数管理も確認すると、より完璧です。
慶弔休暇は取れる日数が決まっていますが、定期的に付与されるものではないので、残日数管理はシステム的に行わないことが通常です。
システム化する際のデメリット(初期投資、利用頻度の低さ、運用の煩雑さ)が大きく、効率化できにくい為です。
代休や振休は今後、個別のテーマとして取り上げます。
勤怠管理システムを選択する際には、御社で日々行われている勤務時間の集計、休暇の管理の自動化が詳細レベルで実現できるかどうか、確認してください。その際に、窓口の方が業務レベルで会話ができるかどうかも、分かりますので。
勤怠管理業務の全てを自動化するのはできないので、使用頻度の高い集計、管理などが自動化でき、使用頻度の低い要素は手作業で対応できる柔軟性を持ったものが御社に適したシステムだと考えられます。
もちろん、前回記載した「現場の運用が簡単にできること」との両立が必須ですよ。